初めてのオクターブ
まだオクターブが届かない生徒さんに、オクターブの課題が出てきました。
スラーがついているので、手はちゃんと開いたまま弾いてくれて、できるだけ繋げて弾こうとチャレンジしてくれたのですが、公園のシーソーのようにギッタンバッコンしてしまって…。
左手の5の指でソを弾いたら、5の指の下に足が生えたように手のひらの重さを、5の指で支えるのです。
次、1の指でオクターブ上のソを弾いたら、今度は親指で手のひらの重さを支えて…
と、いうような感じ。
これでは粒は揃わないし、音も重くてきたない!
そこでやじろべいの写真を見せました。
やじろべえを支えてるのは1本足。
手のひらの支えは手のひらの真ん中につっかえ棒があるイメージで、つっかえ棒は小指でソを弾いても、親指でソを弾いても変えないでいつも手のひらの中心よ。
つっかえ棒があるから、小指も親指も自由に動かせるよ。
音は2つ弾いても、手のひらのつっかえ棒は1本。
そしてもう一つ大切なことは、小指から親指への軌道は、半円を描くように上からはタッチさせません。
これをすると力は抜けて一見良いように思いますが、上からは親指を降ろすとどうしても重さが加わるから親指だけ質感の違った音になり、結果粒が揃わず汚くなります。
できるだけ下から上へ這い上がるようなイメージを持った動きの方がいいと思います。
途端に全く別人のように綺麗なオクターブが弾けました。
勿論手は届いてはいません。
でもあたかも届いているかのような綺麗さ。
それは下のソと上のソの音の質感が揃ったから、実際の音は繋がっていなくても、同じ響きが繋がるのであたかもオクターブが届いているように聞こえるのです。
本人もビックリ。
大満足してくれました^_^
ほんのちょっとしたことで変われるって嬉しいですよね。
ピアノ教室 メゾフォルテ