ツェルニー30番NO15 アルペジオの弾き方のコツ
赤い点の箇所ですよね。
例えば1段目 3の指から1の指へ行く時(上行形)。
初心者さんは、肘を張って3の指をしっかり押さえながら、なんとか手の甲をもぐるようにして親指を弾きます。(親指の音を鳴らすまでなんとしても3の指を離さないように頑張ります)
きっと、音を切ってはいけない!なんとか繋げなくちゃ、と思われていらっしゃるんだと思います。
私はどうしてるかと言うと、3の指を高くトンネルのようして親指を潜らせるような弾き方はしていません。
手の甲を行く方向に傾けてます。
3の指の打鍵位置は奥の方になってますよね(その前の音の繋がりで)。
奥から手前に滑らせるようにしながら親指を準備させ、親指を弾く直前には3の指は離しています。
繋げることに集中するのではなく、3の指の音と次の親指の音をよく聴いています。
もっとマニアックに言うと、音と音の質感を合わせるのです。
質感があっていたら、例え音が離れていても人の耳には繋がって聞こえるからです。
(これは過去ログにも書いてあるかと思います)
皆さんは繋げることに執着されすぎていて、3の指で出した音と親指で出した音が異質のものだと言うことに気付いていないのです。
また物理的な面から説明すると、指を繋げる為に肘を少し高く上げます。
親指は短いので高い位置から下に落とすことになりますよね。
弾いている途中で肘が上がったり下がったりすると、それだけで動きとしても不安定になります。
今日の大人の生徒さんは、その辺を気づいていらしたから素晴らしいです。
また下降形の場合ですが、例えば1段目の赤い点 ミ(親指)→シ(3の指)、殆どの方は3の指をピンと伸ばして半円を描くような動きで弾きます。
これも細かいようですが、上から落下させるタッチになります。
なので音は汚くなります。
アルペジオの上下で1回づつ手の動きも上下して弾くことになるので安定性にも欠けますし、そこだけ音が異質になりますよね。
上記の下降形の時も、私は3の指を弾く直前には親指は離していますし、3の指も半円を描くような動線ではなく最短距離で指先は空を仰がず、鍵盤に沿って動いています。
言葉の説明では分かりづらいかもしれませんが、参考になさって下さい。