浜コン 私の一押しピアニストは
浜松国際ピアノコンクールが終わりましたね。
オンデマンドで1日遅れで聴いていました。
全部の演奏は聴いていないのですが、私が第2次予選から “この人は!” と思って追っていた方は、務川慧悟さん
残念なことに第5位でした。
審査員に評価されなかったのはどうしてなのか?
日本人の中でも一番良かったですし、第1位になったトルコの可愛い男の子より、私には魅力的な演奏でした。
今調べたらパリのコンセルヴァトワールに留学中とのこと、やはり、と納得した次第です。
というのは、第2次予選で弾かれたドビュッシー 前奏曲第1集より
「雪の上の足あと」
「さえぎられたセレナード」
これで惹きつけられました。
これぞドビュッシーという演奏です。
今まで国内コンクールでも男子がドビュッシーを弾くのを度々聞きましたが、正直 自由曲なのにどうしてドビュッシーを選んだの?
ドビュッシーの良さが全然出てないよ、という、残念なものばかりでした。
務川さんの演奏は、ドビュッシーの特徴でもある陰影がしっかり出ています。
リズム感も素晴らしい!
楽譜から音が生き物のように飛び出して踊っている感じでした。
楽譜に忠実に!というと何かつまらない演奏のように思われがちですが、私はまさにこのドビュッシーこそ作曲家の意図を汲んだ楽譜に忠実に!という演奏だったと思います。
同じく第2次予選で弾かれた、スクリャービン ソナタ第5番
音の数が増えてもその音の重ね方が上手い!
よく整理され音を設計されてるなぁ。
次の演奏も愉しみになりました。
そして第3次予選、ラヴェル 鏡
この人はご自分の長所をよくわかっていらっしゃる。
そう思って聴いていましたがパリに留学中ということでフランスものは十八番なのかもしれませんね。
そして私はこういう演奏に憧れますし好きなんだなぁと改めて感じました。
音が一粒一粒キラキラと立っていて躍動感が半端ないんです。
ずっとカワイのピアノを選択されていましたが、演奏者によってカワイさんもこーゆー音色になるんですね。
新発見でした。
本選は プロコフィエフ 協奏曲 第3番
音が立つのでオケに埋もれることなく切れの良い演奏でした。
多分 タッチの仕方が違うのでしょう。
オケと合わせてもブレないタッチ。
負けまいと思って逆効果な音になっている方多いですから。
30分ぐらいの曲になると大抵途中で飽きてしまいます。
それはその人の演奏が予測できてしまうから。
音色の変化がなく、ただ強弱だったり、凄く綺麗に歌われても、やはり私には単調に聴こえてしまうのです。
務川さんの演奏はずっと聴いていても飽きることなく面白かったです。
またどこかで今度は生で聴いてみたい、と思わせる演奏でした。
結果は第5位でしたが私的には文句なしの1位です。
ここ数日コンテスタントの皆さんの演奏を聴いてとっても勉強になりました。
皆さま お疲れ様でした。
そしてありがとうございました。
ピアノ教室 メゾフォルテ