コロナ禍の中、初コンサートへ【藤田真央 ピアノ・リサイタル】
コロナ禍の中、初めてコンサートに行きました。
本当は響きの良い都内のホールでもやっていたのですが、やはりちょっとそこまで行くのは不安だった為、地元のホールを選びました。
まず数日前に主催者から郵便が届きました。
こんなこと勿論初めてです。
当日はマスク着用、入場の際に検温。
チケットは係員に見せてから自分でもぎ取り、チラシも自分で取る。
ブラボー禁止。
退場の際も時間差でアナウンスに従う。
等の注意書きの案内でした。
席は一つおき、前後の列が互い違いに一つおきになっていた為、両隣と前が空席でした。
これは気持ちが良い。
特に前にお客様の頭がないって、いいですよね。
特に前にお客様の頭がないって、いいですよね。
席もバッチリ手が見えるセンター。
期待が高まります。
いよいよ生で見る真央君の登場。
両手でタオルハンカチを胸の辺りで持ちながら、ゆるゆる〜っとふわふわっと歩いてこられました。
なんか歩き方やしぐさが乙女チック(笑)。
さっきまで大事そうに持っていたハンカチを、パッとピアノの中に投げ入れるやいなや弾き出すというギャップに慌ててこちらもピアノに集中。
プログラム
・モーツァルト/ピアノソナタ第7番
・チャイコフスキー/ロマンス ヘ短調op.5
・チャイコフスキー/ドゥムカ ロシアの農村風景
・アルカン/イソップの饗宴 op.39-12
・ショパン/幻想曲
・ショパン/ポロネーズ第7番
・ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
・ラヴェル/ラ・ヴァルス ニ長調
1曲目のモーツァルト
弱音の幅が広い!
弱音の中でも1音1音にバランスがとれていて、音の粒立つもあるし、さらに律動も入っているので、リズミカル。
素晴らしいコントロールですね。
「弱音の魔術師」
って、勝手にキャッチコピーを付けさせて頂きました。
って、勝手にキャッチコピーを付けさせて頂きました。
会場の皆がそのピアニッシモに息を呑んで集中している中、その日の出稽古を中断して駆けつけた、私のバッグの中に入っている電子メトロノームが、何かの拍子に鳴り出してしまうのではないか!?
と、ヒヤヒヤしてその曲が終わるまで焦り続けました(汗)。
チャイコフスキー
YouTubeで拝見した時に、指と手首を物凄く柔らかく使うので、ビックリしました。
そのせいか出てくる音が柔らかくて綺麗。
音の数が少なくてゆっくりした曲は素人さんも取り組み易いし、一見難易度低そうに感じて、
「この曲って易しいですよね」
って、言われがちですが、この様な曲を披露する程難しいことはないのです。
って、言われがちですが、この様な曲を披露する程難しいことはないのです。
メロディ綺麗に歌いますね。
また、歌が自然なのでスーッと入ってきて、いつまでも聴いていたい気持ちになります。
アルカン
初めて聴く曲です。
数小節単位でバリエーションになっていて、前半のプログラムの中では一番派手な曲でした。
ショパン
幻想曲はショパンの中では難易度も低く、どちらかというと地味な曲です。
今まで、ちょっと退屈してしまう曲という印象でしたが、真央さんの演奏は流れも内声の変化も良く、惹きつけられました。
ラヴェル
ロマン派のように歌を先行させるのではなく、リズムが流れている中にフレーズを歌わせ、さらにタッチで軽さを出す。
フランス物らしさが出ているラヴェルらしい3拍子、センスがありますね。
当初の印象で
「この人に欠けるものは迫力かしら?」
「この人に欠けるものは迫力かしら?」
と、思っておりましたが、ラ・ヴァルスの後半、ワルツらしいリズムが崩れ始め、転調を繰り返し崩壊に向かって突然終わる、という難しい所でのエネルギーと迫力は凄かったです。
迫力を演出する時に、よく手を大きく振り上げる方がいらっしゃるけど、真央さんは皆無。
あくまで音で勝負、という姿勢も気に入りました。
(なんか上から目線ですみません)
(なんか上から目線ですみません)
ブラボーは禁止でしたが、心で思いっきりブラボーを叫びました!
今回のプログラムのテーマは「ファンタジー」ということだそうです。
弱音ペダルを巧みに使用しながら、モヤがかかった絵から抜け出して現実を行き来する。
コロナ禍で気持ちが沈みがちな毎日でしたが、まさに幻想の世界へ誘ってくれるコンサートでした。
アンコール
・1曲目 ショパン ワルツNO.7
・2曲目 リスト 愛の夢
・3曲目 (どうしようかなぁ?と迷われているしくざが可愛らしかった)
アザラシビリ 無言歌 (知らない曲なので間違っていたらごめんなさい)
普段の生活からピアノの表現まで、凄く自然体なんだなぁ、という印象で好感が持てました。
まだお若いので、勉強もしつつ、世界で活躍して下さいね。
応援しています。
応援しています。
ありがとうございました。
ピアノ教室 メゾフォルテ