アルゲリッチのピアノを聴く @すみだトリフォニー2022.6
マルタ・アルゲリッチ
辻 彩奈 ヴァイオリン
酒井 茜 ピアノ
ソロコンサートではないけど、アルゲリッチのピアノが聴けるなんて夢のよう。
演目もわからぬまま会場へ。
開演の数時間前は土砂降りの雨。
ちょうどレッスンしている時でした。
出かける時には止んでラッキー。
急いで急いで開演ギリギリで着席。
プログラムを見るとイヴリー・ギトリスへのオマージュと書いてありました。
まず
・フランク ヴァイオリン・ソナタイ長調
辻 彩奈 ヴァイオリン
マルタ・アルゲリッチ
出だしの1音と次の8分音符。
この連続したたった2音の音色の変化が素晴らし過ぎて最初の1小節でアルゲリッチの世界に惹きこまれました!
正直最初の数分はアルゲリッチの音だけを聴いていてヴァイオリンの音を無視していたかも。。
すみだトリフォニーホールは以前来たときに、1階席だと音が頭の上を通り抜けていってしまうのでそれ以後ずっと2階か3階で聴いています。
チケット代もお安くなるしオススメです。
この日は2階席の正面は売り切れだった為、3階席の正面で聴きました。
舞台からここまで何十mあるんでしょうか。
凄く小さな音が響きと共にクリアに3階席まで届きます。
まるで目の前で弾いているようにです。
まるで目の前で弾いているようにです。
アルゲリッチの印象は物凄いリズム感で俊敏なタッチといったイメージでしたが、こんなにも柔らかい弱音+多彩なニュアンス。
結局なんでもできるんですよね。
この様な女流ピアニストはもう出ないかも知れない、いつもそう思うのですが、やはり生で聴くと感動が半端ないです。
特にコロナ禍で生の音を聴く機会もグッと減ってしまったので衝撃的でした。
休憩中にピアノが片付けられていて、休憩後はアルゲリッチと酒井茜さんと通訳者が出てこられました。
イヴリー・ギトリス(ヴァイオリニスト)さんと、とても親しかったアルゲリッチが酒井さんの質問に対して想い出を語るというコーナーでした。
アルゲリッチの生声を聴けるなんて、なんてラッキーなコンサートなんでしょう。
その後休憩もなくヴァイオリンのソロ。
次に7〜8人のホールの方が舞台両袖にあったピアノをササッと中央へ向かい合わせにセットされ、酒井茜さんとアルゲリッチの2台ピアノ。
・ルトスワフスキ パガニーニの主題による変奏曲
どれだけ合わせるのに難しいのだろうというリズムをサラッと弾かれながらのまるでオーケストラの様な迫力。
次は2台ピアノが1台片付けられ、辻彩奈さんのヴァイオリンとアルゲリッチで。
・クライスラー 愛の悲しみ。
最後に酒井茜さんのピアノソロ。
・クライスラー(ラフマニノフ編) 愛の悲しみ
・シュピルマン マズルカ ヘ短調
・シマノフスキ マズルカop.50から10番
アンコールは、アルゲリッチ ソロ。
・ショパン 変奏曲「パガニーニの想い出」
アルゲリッチと酒井さんのデュオ。
・モーツァルト 4手のためのピアノソナタニ長調 k.381から第3楽章
モーツァルトも軽やかで粒だちが良くて音色がキラキラしていて、小さなサロンで聞いているような臨場感。
いったいあの距離あの空間の音の伝導をつくっている指ってどんなタッチなんでしょう。
いったいあの距離あの空間の音の伝導をつくっている指ってどんなタッチなんでしょう。
これは余談ですが、何回もピアノを移動して手早くセットされるのを3階から見ているのもかなりレアでした。
このコンサートはNHKが収録していたようで放送は未定らしいですが、いつかもう一度見られたら嬉しいですね。
今回学生さん用のお安いチケットがあったようで、ヴァイオリンを担いだ女子高校生が沢山いらっしゃいました。
若いうちから本物の演奏に触れる機会があるっていいですよね。
今年81歳になられたアルゲリッチ。
お身体に気をつけてまた日本にいらして下さい。
ありがとうございました。
ピアノ教室 メゾフォルテ