ピアノのやめ方
先日生徒さんとお母様が一緒にいらして
「突然ですがお話があって」
と、お母様
その一言で察しはつきました。
この生徒さんかなり長い間やる気をなくしていたからです。
私が思うにお母様がお仕事を始めてからだと感じていました。
ただそれを伝えてしまうとお母様を責めているように勘違いされてしまうかもしれませんし、練習するしないは本人次第なのでお伝えすることは控えていました。
ただあまりに長期間なのでお母様は練習していないこと、進んでいないことをご存知なのだろうか、とは思っていました。
お母様は本人の口から言わせようとしましたが、生徒さんは貝のようになっていて、どーにもこーにも声にならなかったのでお母様と話しをしました。
「全然練習をしなくなってしまったので、このままズルズル続けるのはどーなんだろう」
とのことでした。
気づいていらしたのですね。
やめる理由は色々あります。
受験でやめる、部活が忙しくてやめる、などの理由は、ピアノに変わる打ち込むことがあるので前向きです。
でも練習しなくなってしまったから…というのはどうでしょう。
練習しなくなったから。
やる気がなくなってしまったから。
練習しなさい!というのはストレス。
練習しないのに通うのは金銭的にもったいない。
上記のようになっても通わせるかは親としても迷うところです。
自分が練習しなくなったことが理由なのに、時が経つと肝心なことを忘れてしまって、練習しないからってやめさせられた、と
大人になってから親を責める場合もあります。
記憶は曖昧ですからね。
或いはこんなこともおきます。
やめた直後はホッとして解放されたとしても、やがて高校生や大学生になり真剣に自分の進路を考えなければならなくなった時
自分は何をやっても中途半端だった、何も長続きしなかった、と自己肯定感が低くなってしまい何をやってもダメかもしれない、など自信が持てずに、新しいものに挑戦しにくくなる場合もあります。
大袈裟なようですが、私の苦い苦い子育ての経験も踏まえてお母様にはお話をしました。
そこで一つ提案をしました。
やめる、という方向で“やめ方”を考えてみませんか?
例えば
1. 今の教本が終わったらやめる。
2. 学年が変わる時にやめる。
3. 好きな曲を選んでそれが弾けるようになったらやめる。
4. 最後に家族に来てもらい教室で一人発表会をする。
5. ビデオ撮影をする。
などなど
やめるということを負の出来事にはしないこと。
生徒さんも親御さんもお互い納得した上で、やめる段取りを踏んでもらってからの方が気持ちの整理もできますし、少しの達成感は得られるので、やめた後すぐ次のステージに進めると思うのです。
やめることに負い目を感じさせないためにも、最後にちょっとだけ頑張ってみませんか?
貝のように押し黙っていた生徒さんが
「そーする」
と、元気よく応えてくれました。
いい卒業式にしようね。
ピアノ教室 メゾフォルテ