和音で譜読みする例と効果
発表会の曲の譜読みが始まっています。
その中でテクニック的に難しい箇所を、時短で弾けるようにできる練習法があります。
片手でおさえられる箇所を和音にして弾く方法です。
譜例1. 「こねこの運動会」
初心者の曲ですが○で囲った所を一音一音順番に弾こうとしたらかなり難しいです。
この曲を渡した時に、この箇所だけは絶対に普通に弾かないで、○の和音で弾くように伝えました。
わずか1週間その方法で練習してくれたおかげで、なんなくクリア
両手でin tempoで弾いてもミスタッチすらしません。
和音で弾くことの効果は
1. 手の形が安定すること(バラして弾いた時も和音の時の重心は変えず!)でミスタッチがなくなる
2. 和音で練習することでそのハーモニーやコード進行を譜読みの段階から捉えることができる
3. 3和音なら1つ目の音を弾く時に3つ目の指の準備もできていることになるのであわてずに音色を選んでタッチすることができる
4. ゆっくり練習してだんだんテンポを上げて速く弾けるようにする、といった従来の練習はせずにin tempoで弾けるようになる
他にもありますがザッとこんな感じです。
譜例2. アンプロムプチュop.90-2
私は慣れているので上記のように拍をまたいでも、掴める所は全部同時に音を出す方法で譜読みします。
ただこれだと全体像(どんな曲か)を把握していないと和音を解いた時あるいは両手にした時に、拍がずれることがあります。
それで
生徒は拍がずれて掴むやり方でも、左手で3拍子を膝打ちしていたら大丈夫と言っていました。
拍をまたいで同時に掴む時はその拍を感じながら練習しないと、お経のようになってしまうので注意が必要です。
私が今譜読みしているのは、譜例3. ラフマニノフプレリュードop23-7
こちらは1拍づつ字余りになることもないので、そのまま和音にして上記のテンポで練習してます。
in tempoにした時に和音で掴めない所は、普通にバラして弾いても絶対にテンポ通りには弾けません。
全部の譜読みをこうしているわけではありませんが、きっと皆様が取り組んでいらっしゃる曲でも、応用できる所はあると思います。
参考になさって下さいね。
ピアノ教室 メゾフォルテ